相続放棄手続きを行う場所についてのQ&A
- Q千葉近郊に住んでいるのですが、相続放棄は東京の裁判所で行えばよいのでしょうか?
- Q千葉近郊に住んでいるのですが、他の相続人は地方に住んでいます。 このような場合、どうやって相続放棄の手続きをしたらよいでしょうか?
- Q今は千葉近郊に住んでいるのですが、実家は遠い場所にあるため、被相続人の相続財産である土地や建物が遠方にあります。 このような場合、どうやって相続放棄をしたらよいでしょうか?
相続放棄手続きを行う場所についてのQ&A
Q千葉近郊に住んでいるのですが、相続放棄は東京の裁判所で行えばよいのでしょうか?
A
相続放棄の手続きは、必ずしも東京の裁判所で行うとは限りません。
相続放棄の手続きは、被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所であるためです。
被相続人の最後の住所地とは、被相続人の住民票除票または戸籍の附票に記載された住所のことをいいます。
仮に被相続人が事実上東京都内に住んでいたとしても、住民票除票または戸籍の附票に記載された住所が東京都以外であれば、その住所を管轄する裁判所で手続きを行う必要があります。
そのため、もし相続人の方が千葉にお住まいでも、必ずしも東京の裁判所で相続放棄の手続きができることにはならないのです。
Q千葉近郊に住んでいるのですが、他の相続人は地方に住んでいます。 このような場合、どうやって相続放棄の手続きをしたらよいでしょうか?
A
結論から申し上げますと、他の相続人がどこにお住まいであっても、単独で相続放棄の手続きをすることできます。
相続放棄は、他の相続人の合意を必要としない手続きだからです。
そのため、他の相続人が千葉以外の場所にお住まいでも、特に他の相続人と連絡を取ることもなく、相続放棄の手続きを進めることができます。
もっとも、相続放棄をすると、被相続人の負債が他の相続人に回るなどの影響が生じます。
そのため、後々のトラブルを防ぐため、特段の事情がない場合は、予め連絡等をしておくとよいでしょう。
Q今は千葉近郊に住んでいるのですが、実家は遠い場所にあるため、被相続人の相続財産である土地や建物が遠方にあります。 このような場合、どうやって相続放棄をしたらよいでしょうか?
A
実家が地方にある場合などは、相続財産となった実家の土地建物が遠方に存在するというケースは、よくあります。
相続放棄の手続きは、相続財産の所在に関わらず、被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所において、相続放棄申述書と付随資料を提出することで行うことができます。
注意すべきことは、相続放棄をした場合であっても、相続財産である土地建物(特に建物)の管理責任が残るという点です。
遠方に相続財産があると、管理をするのも大変です。
管理責任から完全に免れるためには、相続人全員が相続放棄をし、相続人不在の状態となったあとで、裁判所に対して相続財産管理人選任申立てを行う必要があります。
相続財産管理人が選任されることで、相続人不在の相続財産は、相続財産管理人が管理することになります。