相続放棄における財産調査でお悩みの方へ

文責:弁護士 松井大幸

最終更新日:2025年09月17日

1 相続放棄の判断における財産調査の重要性

 相続を承認するか放棄するかを決める際のポイントはいくつかありますが、相続を承認する際のリスクという観点からは、被相続人の遺産として預貯金等の「プラスの財産と借金などマイナスの財産がそれぞれどの程度あるかのという点が重要です。

 仮に借金が100万円あったとしても、時価1000万円の不動産もあるのであれば、不動産を売却して借金を返済し、残りを相続人が使うことができますので、相続を承認するリスクは小さくなります。

 また、先祖代々受け継いできた土地など、相続しなければならない財産がある場合は、相続の承認をした場合にいくらくらいの負債を支払わなければならないのかという点を正確に把握しておくことが重要になります。

 そこで、相続を承認するか放棄するかの判断をするためには、プラスの財産とマイナスの財産の内容を正確に把握するための相続財産の調査が極めて重要となります。

2 財産調査について専門家に相談すべき理由

 相続財産の調査は、漏れがないように網羅的に行わなければなりません。

 例えば被相続人が複数の消費者金融やクレジットカード会社から借り入れをしていた場合、被相続人が所持していたカード、預貯金口座からの口座振替の記録、業者からの請求書や督促状、CICやJICC等の信用情報の記載から借入先を洗い出すことが可能ですが、この調査に漏れがあり、相続をした後にそれが判明した場合は、その借金の返済をしなければならないことになります。

 また、被相続人が有していた金融資産は各金融機関に問い合わせて確認することになりますが、それに漏れがあったため、相続放棄をした後に時価300万円の投資信託のある証券口座が見つかった場合は、「相続しておけばよかった・・・」と後悔することになりかねません。

 それゆえ、相続財産の調査は、漏れが無いように網羅的に行わなければならないのです。

 しかし、相続財産調査の経験がない一般の方が調査を行うと、漏れが発生する可能性が高くなりますので、相続財産調査を業務として行っており、様々な調査方法に精通している専門家に相談することが重要となります。

3 財産調査は手間と時間がかかる

 相続財産調査は、区役所や市役所等の地方自治体、不動産登記を扱う法務局、銀行、クレジットカード会社等の金融機関など、様々な機関に対して照会を行うなどして調査を行わなければなりません。

 この調査になりますが、その方法や、調査の際に提出しなければならない書類は対象とする機関ごとに区々であり、これらの書類の収集には手間を要します。

 また、調査のための手続きは対象とする機関の窓口で行わなければならない場合も多々ありますが、窓口の営業時間は平日の日中のみということも多いですので、平日お仕事がある方は、仕事を何度か休んで手続きをしなければならないことになります。

 そこで、このような手間と時間がかかる手続きは一括して専門家に任せ、ご自身は仕事等に専念することをおすすめします。

4 財産調査についての専門家選びのポイント

 遺産である財産や借金について、それらを調査するノウハウを有する専門家であれば、スピーディーに漏れのない調査を行うことが可能です。

 相続放棄は、熟慮期間の3か月以内に行わなければならない緊急性のある手続きですので、調査のスピードが重要です。

 調査が間に合わない場合、熟慮期間の伸長を裁判所に申請することになりますが、その手続きを専門家に依頼すると、そこで新たに費用が必要になってしまいます。

 そこで、相続財産の調査については、相続の分野において豊富な経験を有する専門家を選ぶことをおすすめいたします。

 当法人では、相続放棄の手続きについて豊富な経験を有し得意分野とする弁護士が、スピーディーかつ的確に相続放棄の手続きを進めさせていただきます。

 相続放棄でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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